いきなりですが、個人的には結構大きな記事だと思うので、この記事を引用。
住宅着工、100万戸割れへ=業界団体調査
住宅メーカーなどの業界団体、住宅生産団体連合会(東京)は28日、景況感に関する調査結果をまとめた。主要メーカー15社の2009年度新設住宅着工戸数の予測は、平均で97万2000戸となり、4月公表の前回調査から3万5000戸下振れした。予測通りに進めば、08年度の実績(約104万戸)を大きく下回り、1966年度以来、43年ぶりの100万戸割れとなる。(2009/07/28-18:41)
そしてもう一つ
住宅空き家率、過去最高の13%=都市より地方で余る-総務省調査
総務省が28日発表した2008年10月現在の住宅・土地統計調査結果(速報)によると、全国の総住宅数は03年の前回調査比6.9%増の5759万戸で、このうち空き家は14.6%増の756万戸と、いずれも過去最多となった。総住宅数に占める空き家の比率は0.9ポイント増の13.1%でやはり過去最高。
空き家の比率を都道府県別に見ると、山梨(20.2%)や長野(19.0%)など地方で高く、神奈川(10.5%)や埼玉(10.6%)など大都市圏は比較的低い。同省統計局は「住宅が余っている上、独居高齢者の入院などによる空き家も増えた」と分析している。(2009/07/28-19:42)
そして、この記事の元データは、「統計局ホームページ 平成20年住宅・土地統計調査(速報集計)結果の概要」ですが、家が余ってくるのはものすごく当たり前のことです。
統計局のホームページ(リンク先)にもありますように、「平成20年10月1日現在における全国の総住宅数は5759万戸となっており,平成15年からの5年間に370万戸(6.9%)増加 」ということで、この5年で増えているわけです。しかし、「総世帯数は4999万世帯となっており,平成15年から273万世帯(5.8%)増加 」ということで、世帯数の増加傾向よりもまだ住宅の増加傾向の方が高いわけです。
さらに、すでにお気づきだと思いますが、5759万戸の住宅総数に対して4999万世帯しか世帯数が無いわけですが、一世帯一住戸だと考えると差し引き760万戸の住宅が余るわけです。統計では756万戸の余剰があるようです。
ただ、この傾向(総住宅数が総世帯数を上回る現象)は昭和43年から発生している。ただし、その頃の空き屋率は4%程度であり、これは全国平均なので「地方であまり都市部で不足している」という状況が発生していただろうことが想像できる。空き屋率が10%を超えるのが平成5年の統計以降だが、今回の調査結果では「3大都市圏の空き家は363万戸で,空き家率は12.1%,3大都市圏以外では392万戸で14.3%」となって、都市部の「家余り」現象が加速しているように感じる。
実際に私自身大阪市内に住んでいるが、市内南部のファミリー世帯がすむと思われる「2LDK~3LDK」の賃貸住宅の空きが目立っているのを感じる。このクラスの賃貸だと家賃が月約10~15万円程度だ。高いと思うか安いと思うかは人それぞれだが、建て売りやマンションを売りたい側は「家賃より安く家が買えますキャンペーン」をしきりにしてくる。売る方も必死である。「そうかなぁ」と思ってそちらに流れる人が多いので、賃貸住宅がさらに余っていく、という状況になるんでしょうね。
この統計には「所有」「賃貸」の区別は無いが、「住宅を所有しているけど空き屋にしている」という人は少ないと考えると、家余り現象は賃貸(あるいは賃貸に出そうとしている所有物件)に集中していると考えてよい。
これからどうなるのか? 経済の原則から言うと、供給過多の場合は価格が下がる、つまり、家賃を下げてでも入居率を上げていくことを家主は考えていくのではないだろうか。みんなが家を買えば買うほど、空き屋が増えて賃料が下がる、と考えるのはおかしいだろうか? そうなると近い将来、家賃とローンが逆転することがあるかもしれません。「家賃より安く家が買えますキャンペーン」で住宅を長期ローンで手に入れた方は・・・
未来のことは誰にもわかりません。どちらに転ぶのでしょうか?
参照ブログ(私の以前の投稿(笑)):だましだまされ生きるのさ