だましだまされ生きるのさ

よくある広告の一コマですね。


借りるより買った方が「自分のものになって」いいのです。

さんざん言われ尽くしましたしね。アメリカのサブプライムローン問題もどこ吹く風~。そう、みんな買いましょう。

という広告です。

広告主はいわゆる地元の住宅販売業者。

当たり前ですね。彼らの広告で「買わない方が得です」とは絶対に言わないですから、「買ってください。大いに買ってください」って言うに決まっています。

しかし、この広告はとにかく酷いですね。こんなのにだまされる人がいるのだろうか・・・。おられたらすぐに当事務所に連絡下さい8-)。

あなたはだまされる人ですか?画像をクリックすると大きな画像も出ますので、じっくり眺めてください。

では、よろしいでしょうか。電卓もご用意して・・・

まず、住宅ローン減税が拡大されたから今買っておかないと損をする、と思いますか? まぁこの議論は、消費税率が上がるから今のうちに契約しておかないと、という方とそれほど変わらないのですが・・・

はっきり言っておきます。減税額や消費税率でどうこうなるような資金計画しか組めないのなら、家を持たない方が幸せです。

以上。

といってしまえばあんまり面白くないので、もうちょっとだけお話を。
さて住宅ローン減税って何かご存じでしょうか? 正しくは「住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除」という名称の所得税法に関する措置法です。そんなことはどうでもいいとして、この適応ルールは簡単に言うと「年末借入金残高(最大5000万円)×控除率(1.0%or1.2%)が10年間」なわけです。なので、MAXで計算すると「5000万円×1.0%×10年=500万円」となり、この広告の文句になるわけです。控除率が1.0%か1.2%かというのは、一般住宅か認定長期優良住宅かの違いです。この広告で「最大600万円」と書いていないのはこの広告の商品が「認定長期優良住宅」ではない、ということのせめてもの良心なのでしょう。

さて、つまり500万円控除してもらおうと思うと、10年間ローン残高が5000万円を越えておく必要があります。そんなひとまずいません。せいぜい2500~3000万円程度のローンでしょう。となるとせいぜい控除額は10年で250万円程度です。面倒なので途中の細かい計算は省略します。つまり、年間25万円。月2万円程度。ということです。この程度の税金をけちらないと家が買えない人は家を買うのをやめなさい、という結論になるわけです。

冷たいですね。すみません。でも、本当にそうなんですよ。月2万円は大きいですが、月2万円の変動が生じても大丈夫なような家計でないと家や家族を維持していくことはできないです。いつ何時イレギュラなことが発生するかわかりません。だいたい、1回の冠婚葬祭で3万円+交通費程度必要ですよ。家電や車だって壊れないわけではないですよ。

さて、次は「家賃より所有は得か?」という話。
この広告はひどいですね。月額家賃62000円×35年で2604万円となっております。電卓をたたくと、なるほどその通りですね。
その右側の表。借入額2500万円 毎月の返済額62000円、となっています。
???と思いませんか? この住宅ローンの条件は? と思いません?
その2行上に書いてくれています。
<<変動金利2.675%に優遇金利により1.675%>>50年返済
だそうです。

まぁ、先ず「50年返済」ってところに引っかかってくださいね。
次に、「優遇金利で-1.0%」ってところにも十分引っかかってください。
もうひとつ「変動金利2.675%」ってところにも引っかかってくださいね。

って、全部じゃん・・・
つまり、このローンの計算は、50年間、固定金利1.675%で計算した、ということです。だいたい「頭金0円で土地付きの住宅を買った方が得だね。」ってご丁寧に書いてくれていますが、頭金0円の人はこんな条件のいい融資は組めません。頭金2~300万円が固定金利2%10年ぐらいで、残額はもっと金利の高い変動金利になります。って、まじめにこたえても仕方がないですね。

とにかく、ひどいシミュレーションです。

ただ、そのシミュレーションがどの程度ひどいかというのは巧妙に隠されています。

ローンと家賃が同じだけの金額だったとしても、土地や住宅を所有していると税金が必要になります。さらに、借家なら建物や給湯器や換気扇などの付属設備のメンテナンス費用はかかりませんが、所有していると当然古くなったら取り替えないといけませんし、壊れたら補修しなければいけません。外壁の塗り替えや屋根の防水などもしなければいけません。

また、土地に固定して住むと言うことは、よほどの余裕がないと簡単に移動できなくなると言うことです。子供の教育問題、家族の増減問題など家族の形に合わせて家を変更することが難しくなると言うことです。

そういったこともひっくるめて、持ち家がいいか借家がいいかを考える必要があるわけです。

どっちがいいかは、最終的には価値観ですが、正しい情報を仕入れて「だまされない」生き方をお勧めします。

だまされる前にこのページをお読み下さい 💡