天使と悪魔 – ダン ブラウン (著), 越前 敏弥 (著)

先日ベトナムに行く飛行機の中で「天使と悪魔」の映画を見ることができました。飛行機がパーソナルテレビだったので、他の映画(真夏のオリオン)を見ていたので、映画自体は見ていないのですが、急に本が読みたくなったので買いました。

以前、大ヒットした「ダ・ヴィンチ・コード (上)(下) – ダン・ブラウン (著), 越前 敏弥 (翻訳) 」と同じ著者です。実際には「天使と悪魔」の方が先に書かれています。

天使と悪魔(上) (単行本)
ダン ブラウン (著), 越前 敏弥 (著)

# 単行本: 343ページ

# 出版社: 角川書店 (2003/10/31)

# 言語 日本語

# ISBN-10: 4047914568

# ISBN-13: 978-4047914568

# 発売日: 2003/10/31

天使と悪魔(下) (単行本)
ダン ブラウン (著), 越前 敏弥 (著)

# 単行本: 249ページ

# 出版社: 角川書店 (2003/10/31)

# ISBN-10: 4047914576

# ISBN-13: 978-4047914575

# 発売日: 2003/10/31

「ダ・ヴィンチ・コード」はどちらかというと「謎解き」に重きが置かれているように思いますし、前にも書いていますが、結構展開がしつこいです。
まぁ、「天使と悪魔」も最後の方はしつこい系の展開をしますが、その部分はさっぴいても、このほんのテーマとなっている「宗教と科学の対立」は読み応えがありました。
そういう意味では、私は「ダ・ヴィンチ・コード」よりも扱うテーマ自体はおもしろいと感じました。ただ、こういう場合は往々にして一般受けしないでしょうから、どうしても「ダ・ヴィンチ・コード」の方が先行して売れるでしょうし、先に映画化されたのでしょうね。

ローマカトリックと科学者との関係というのは、歴史をひもとくと非常に深い。ガリレオ・ガリレイが地上説を唱えて宗教裁判にまで至ったのは有名な話ですが、それだけにとどまりません。科学は宗教を不要にするのか、あるいは非常に深いところでつながっているのか、そういったことを考えるきっかけになると思います。

科学がすべてを明らかにしてくれるのか、というとそうではないでしょうし、科学が発達すればするほど新たな問題が発生し「真理」から遠ざかっているような面もあるように感じます。

効率だけをもとめ、数字や数式を最優先して物事を判断すると非常に大切なものを取りこぼす気がします。
心の中の声や直感、人間の及ばない自然の力などを、真っ白な心で受け止めることから始まるのではないか、そんな気がします。

私が、建築の設計をしたり、相談を受けているときというのは、最初に、その敷地に立ったとき、その物件をじっと見ているときに、思い浮かぶイメージ・直感が大切だと常々思っています。そのとき思い浮かぶイメージというのは、効率や数式ではおそらく表しきれないものですし、「数字」は自分や依頼者を説得するための「後付け」の場合が多いのかもしれません。

ともかく「宗教と科学」に関する登場人物の演説(§94、単行本の下巻p.127~)は圧巻でした。そこだけでも読む価値あり、と思います。