# 新書: 254ページ
# 出版社: 光文社 (2006/2/16)
一つ前の「下流社会」と同時に大学生協で2割引で買った本です。
「99.9%は仮説」というつかみは非常によいですが、私にとっては、普段の考え方を竹内氏が書いた、という本でした。一般の方には新鮮かもしれませんが、おそらくエンジニアが日常していることです。
私は、設計を仕事としています。メーカーや工務店などが「こうします」「こうさせて下さい」「この商品はいいですよ」というのをひっきりなしに持ち込みます。そんなとき、まず、私の立場は「それほんとうにいいか?」ということから始まります。何か欠点はないのか?をいろんな角度から検証します。何故か?
もし仮に、欠点のない完璧な商品や工法がそこに存在したら、間違いなく世の中はそれ一色になってしまうはずだ。と思うからです。メーカーやそれを採用したい側は、欠点よりも長所ばかり宣伝するでしょう。それは当たり前です。それに乗せられては、ただのブローカーです。その商品を採用するには、完璧でなくても、欠点を補う技術があるのか、メリットとデメリットを比較してメリットの方が多いのか、をできる限り検討した上で決定します。従って、だいたい新しい商品や売り込み品は採用に至らないケースがほとんどです。
つまり、これらのエンジニア的考えや検証は、竹内氏のいう「思いこみで判断しない」「情報は疑う」ということに精通します。そういう意味で私にとってはあまり新鮮みがありませんでした。
ここまで書いて、つくづく私も「ひねくれた性格」だと思います・・・。
「何故飛行機が飛ぶのか」を考えたことのない方は、是非お読み下さい(笑)