ハウスメーカー その2

 もう一つハウスメーカーのお話。

 これはリフォームをハウスメーカーがやったお話です。
 元々、別の店舗であったのを用途替えて医院として使うためにハウスメーカーにリフォームを依頼した方からの相談でした。
 そのハウスメーカーは、約3000万円の工事に対して
 1.設計図面がほとんど無い。
 2.契約書が無く、注文書という紙が一枚。
 3.引渡をしたのかどうかわからない。
という問題がありました。そのほか細かい不具合や確認申請や完了検査などの届け出関係の処理、などに疑問点がありましたが、そのことはここではふれずにおきましょう。

 依頼者が持っていた図面は、A2版のわずか2枚だけでした。本来、リフォームであっても現況平面図や改装後の平面図、断面図、設備(電気・給排水・空調設備)、展開図、等様々な図面が必要だと考えられるのですが、これらは一切依頼者は受け取っていないとのこと。
 また、依頼者とリフォーム工事施工者とは、注文書と称されるA4の書類が1枚のみで、契約の根拠となる図面がなく、契約約款もない状態。見積書は、追加工事も含めて数種類あったものの、見積書は契約のもとになる図面にはならないのでほとんど役に立たないはず。
 引き渡し書や竣工図などが保管されておらず、依頼者もそう言ったやりとりがあったことを記憶していないそうです。本来引き渡しは、瑕疵担保の起算日となるために明確にされておく必要があるんですがね。

 当然、ハウスメーカー側にも設計者がいるはずなんですが、依頼者から設計者の顔はほとんど見えていません。ハウスメーカーというのは設計と施工を同時にやってしまう業者です。それがいいとか、悪いとかという話はおいておいて、設計と施工というのは当然ながら責任の分担が異なります。

 しかし、お客さんから見たハウスメーカーは、いつも下請けの職人さんがほとんどで、ハウスメーカーの現場監督もほとんど見てない、まして、設計者などいたの?という状態になっています。

 本当にこんな仕事しかしない、ハウスメーカーって。