ハウスメーカー その1

 私はどうもハウスメーカーで新築をした方のリフォームの設計・監理を依頼されることが多い。一部の方は私はリフォームしかしていないのかと思っている人もいるようですが、決して”なんとかの匠”というわけではないので、ご安心を。

 ”匠”を始めテレビの事についてはいずれコラムで扱うことにして。

 そのハウスメーカーは、新築の時に実にいい加減な仕事をしていることが多いです。私に依頼があった物件もその内の一つ。やっと最近リフォームが終わり、無事引き渡したすみましたので、その物件のページを見て頂けるとおもしろい写真が出てくると思いますよ。このコーナーでは写真は載せません。

 リフォームを初めてすぐ、基礎のコンクリートから露筋が見つかりました。露筋というのはコンクリートの表面に鉄筋が見えてくること。その鉄筋は当然錆びてきますし、コンクリート内の鉄筋が錆びてくると、コンクリートの劣化が著しく進行します。そのため、建築基準法では鉄筋のコンクリート内部への深さ(これを”かぶり厚さ”といいます。)を定めており、基礎の立ち上がり部分は4cmと決まっています。その他部位によって数種類あります。

 当然、露筋しているぐらいだからかぶり厚さも全くありません。そこで、いろいろと調べてみると、出てくる、出てくる。かぶり厚さが不足しているところが大量に見つかりました。

 この建物、鉄骨造であったために、鉄骨の柱脚を基礎に直接アンカーボルトで接合する方式をとっており、調べていく内にアンカーボルトもかぶり厚さを持っていないこともわかりました。アンカーボルトのかぶり厚さがないということは、地震時や台風時に建物の横から加わった力に対して、柱が引き抜かれないようにする力(”引き抜き耐力”といいます)が不足することになります。つまり、柱が引き抜かれやすくなるということです。

 これらの事が判明して、リフォーム工事が一旦中断し、新築時のハウスメーカーと協議の上、ハウスメーカーが全面的に補修することと相成りました。その間の仮住まいなどを用意してもらい約1月半の補修工事となったわけです。築後20年を経過しております。

 20年経とうが、30年経とうが、新築時に悪かったものは悪いのです。どうしてこのような工事になったのかは不思議ですが、これがハウスメーカーの体制といえばそうかもしれません。下請け工務店が安い仕事でやってしまうとこのようになることは明らかですし、それをチェックする体制も技術もハウスメーカーは持ち合わせていませんので。

 そんなものなのかなぁ。家を造るということは、と考えてしまった一つの事件です。

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