建物の健康診断

 あなたの建物は時々健康診断をやっていますか?人間も30歳を過ぎると毎年健康診断をすることを勧められます。同様に建物もある程度は定期的に健康診断をした方がいいに決まっています。今日は建物の中でもマンションの話を。

 マンションといっても分譲で区分所有されている場合です。昨今、東京や大阪の都心でも非常に安くマンションを購入することができます。また、最近は一時ほどではないですが少し前、といっても1~2年前ですが、マンションが飛ぶように売れていたそうです。3000万円ぐらい出せばそれなりに十分なマンションが手にはいるようになったからです。

 分譲マンションの維持管理については、近いうちにシリーズでこのホームページにてご紹介したいとは思っていますが、分譲マンションだってきちんと維持管理していく必要があります。さらに、分譲マンションの維持管理のこつは、早め早めに対処することです。それは分譲マンションが複数の所有者がいて、何かの物事を決めるのに一つ一つ合意形成をしていかなければならないからです。問題がそれほど大きくないうちに、次はこうしましょうということを決めておくとすんなり決まることが、一旦問題が大きくなると「なんで、そんなに費用がかかるのだ!」「だれがこんなになるまで放って置いた!」「以前の理事会は何をしていた!」「うちにはそんなお金はない!」などといった意見があちこちから出て決まる話も決まらなくなります。

 だからこそ、マンションは早めに健康診断が必要なのです。できれば竣工直後からすることが望ましいのです。竣工直後の不具合は比較的容易に分譲会社などが対応してくれることが多いですし、場合によっては工事や設計の不具合ということも多いからです。また、マンションの規模にもよりますが、だいたい何かしらの取り替えや修繕工事が毎年必要になります。そんなときに、今年度実施しておいた方がいい修繕や取り替え、来年度実施することを予定しておいたほうがいい工事、何年か後に計画的に実施する工事などをまとめておくことはとても重要なことです。また、その時に必要な費用をきちんとためておくことも大切です。

 ですから、私が相談に乗っているマンションでは毎年定期総会の議案書を作成する前に「建物総合点検」を実施して、次年度の事業として工事の必要な項目や注意すべき項目を指摘し予算を組むようにしています。こういった、一回一回は小さなことでもこれが10年経ち、15年経ち、大規模修繕工事をしようとしたときに大きく効いてくることになります。

 建物の健康診断もしっかりとしましょう。