どうも理解されていないし相反するようなものととられているような気がしますので、今日はこのネタで。(また、マンションの話が遠のいてしまいました・・・。近いうちにとは思っています。)
わたしは「建築よろず相談」というインターネット上でボランティアベースで相談に乗っている集まりの相談員をしております。決して業務を目的としたわけではありませんが、一般の人からの相談などについて相談員が解説をする、というスタイルで運営されています。
ところがこういった活動を、快く思っていない人もいるという話を小耳に挟みました。どんな立場であっても万人から支持されると言うことはあり得ないと思いますし、賛同する人もいれば反対する人もいるでしょう。それは主義思想の自由ですから全く問題ないと思います。もちろんいろんな誤解や思い違いの一人歩きも多いのですが、それも日常繰り広げられるものと全く同じだと思います。
それが問題と言うよりも、私は別の思いをいただきました。いろいろな建築業界に対する意見を聞いていると、時々どうも「施工者vs設計事務所」という構図があるのではないか、と思ってしまいます。確かに設計事務所の中には、施工者を全く信用しない人や設計者こそがピラミッドの頂点に立っていると勘違いしている人が多くいます。そんな設計事務所とつきあった施工者が「設計事務所憎し」となってしまうのも仕方がないと思います。
設計業界にいる私も時々この業界の習慣や設計事務所の態度に恥ずかしくなることがしばしばあります。
しかし、「設計事務所」と「施工者」がそんな関係ではいい仕事ができないのではないでしょうか。それこそ一般のお客さんを置き去りにしているのではないでしょうか。(設計事務所にも大きな責任があるので設計者も大いに反省するべきですが。)
このコラムにも何度も書いていますが、「設計・監理者」と「施工者」は全く同じ立場です。お互い尊敬しあいながら一つの仕事に取り組むのが本来の姿だと私は信じています。それは「お客さんのためにいかにいい建物を造るか」という共通の目標があり、それに向かって「設計・監理者」と「施工者」がそれぞれ違ったアプローチで挑戦するからこそ本当にいいものが造れるのではないでしょうか。だから、どっちがいいとか、偉いとかといった関係ではありません。
私は「設計・監理」という仕事に誇りを持って取り組んでいます。同じように「施工者」にも誇りを持って取り組んでもらいたいと思っています。そうすると、最後に本当に喜んでいるお客さんの顔が見られます。設計者も施工者もその笑顔が本当にうれしいのです。
そんな仕事をしようと思っています。