さて、前回までで修繕設計が終わりました。
次は、「施工者を決める」ということになります。
ここまでしっかりと劣化診断をはじめて修繕設計まで進んできました。またそれを専門家(コンサルタント)とそれらの作業を管理組合やってこられました。
これは別にマンションの大規模修繕に限りませんが、きちんと設計ができていて、一定の図面や仕様が決まっていれば、どの業者で施工しても結果は同じになるはずです。当たり前ですね。
(ただし、工事中の監理はしっかりすればという前提ですが。”監理”と”管理”の違いについては次回にお話しします。)
しかし、修繕工事が得意な業者もあれば、あまりやったことがない業者もあります。
また、あまりやったことがないからと言って、できないかといえばそうでもないですし、しょっちゅうやっている業者でもいつも何らかのトラブルや問題を起こしている業者もあります。
同じ設計図書で同じ仕様なのにもかかわらず、見積の違いも生じます。(振れ幅はそれほど大きくないとは思いますが。)得意な業者と苦手な業者、仕入れ先の違いや下請けの違いなどでかわってきます。
また、マンションの大規模修繕工事を行う業者選びは、理事会や修繕委員会で決めることにはなるのですが、総会の決議が必要です。そういったときに、住民にも「何故その業者になったのか。」をきちんと説明できないといけません。
そんなこと言われたら決められないよ~、という声が聞こえてきそうです。
それをどうやって決めたらいいのかというのはきちんとこつがあります。また専門家によってもその方針や進め方は異なるかもしれません。
素人の理事会や修繕委員会で業者選びなんかできるのかと不安に思われるかもしれません。
最初は皆さんたいていそういわれます。
しかし、私たちがやっている方法で行えばきちんと分かるのです。施工業者としての信頼性を的確に評価して、見極めることができ、見積金額だけにとらわれることはありません。
最後にはちゃんと良い業者を選んでくれるのです。この場合の「良い」というのは「自分たちのマンションにとって」という前提がつきます。マンションの特徴や工事の内容によって「どのマンションにとっても」「良い」というわけではありません。
まず業者を選ぶ方法として、見積業者を何社か選びます。あまり10社も20社もという必要はありません。せいぜい5社程度で良いと思います。そして、見積をお願いするにあたって「現場説明会」というのを開催します。実際にマンションに来てもらって設計図書を渡して、見積条件を提示します。いついつまでに見積を提出して下さいね、ということです。
そして見積を提出してもらいます。その時に前回お話しした設計見積が役に立つのです。なんせ設計者が見積をした適正金額が手元にあるわけですから、それと各社の見積を比較すればよいわけです。単価が極端に高くないか、数量に大きな間違いがないか、設計通り見積をしているのか、などなど。
それらの手続きを経て業者を決めます。
すみません。見積依頼業者選定からここまでを、だいぶ端折りました。それぞれの場面でいろんなこつがあるのですが、そこは企業秘密です(笑)。
というわけではないのですが、ここで細かく書けません。複雑すぎて・・・。
どうしても、知りたい方は業務を依頼して下さい(笑)。
つまり、この場面での専門家は、「工事業者の選び方」や「見積内容のチェックとその解説」などのアドバイスを行うことになります。
これらの手続きを経て晴れて業者が決まった暁には、皆さん納得してくれるわけです。
次は実際の工事にかかっていくことになります。