サマースクール開校!~小中学生たちへ~

日本建築家協会という団体があるのだが、そこに私が入ってかれこれ7年ぐらいになります。個人的には「建築家」と言われるのはあんまり好きではないのですが、それはそれでおいておいて、同業者の集まりと言うことでいろいろ刺激を受けたり、同じような目的に向かって活動したり、がなかなか楽しいものです。

そんな活動の一つで、昨日(8/9)~今日(8/10)の二日間で、小中学生向けの「サマースクール」という、いわゆる出張出前授業を行ってきました。

夏休み中なので基本的には自由参加で希望者だけの参加ですが、小学4年生から中学1年生までの計20名あまりが参加してくれました。

我々専門家たちが用意したテーマは、自分たちが普段住んでいる町を観察して居心地のいいところや気になったところ、好きなところや、こうしたらもっと良くなるのでは、といったところを町へ出て探してみて(一日目)、実際に模型で表現してみよう(二日目)というもの。

ここに至るまで何度も会議を重ね、何時間も議論をして、模型を準備して、という莫大な時間とエネルギーを使って、子供たちにまちづくりを考えてもらおうと準備してきました。

こちら側も初めてで暗中模索。そして、この猛暑。
何とか初日を迎えました。

子供たちが集まってきました。これから何をするのかを簡単に説明して、みんなで自分たちが住む町をよく観察してみよう、と言う課題。ただ、これはだめ、とか、これはできない、とかは一切なし。既成概念をすべて取っ払って自分ならこうする、こうなって欲しい、を誘導しないようにアドバイス。

起点となる小さな児童公園にてもう一度説明。暑いけど、がんばって探すんだ!! 自分たちの心地いい空間を!

1時間の探検の後、ポストイットに「とっておき」を書いてもらい、みんなに地図に張ってもらいます。そして、それぞれが発表。
いろんな発見があり、子供目線もなかなか楽しい。
一日目はここで終了。いい感じで子供たちはつかんでくれたのでは、という感触をつかんで二日目に望みます。

二日目は模型づくり。あらかじめ1/30で一日目に歩いた街区を再現。この模型は建築家協会のサマースクール班が敷地から建物からせっせと造る。普段模型づくりはスタッフやバイトに任せている人たちが自らカッターを持って段ボールを切ってのりでひっつける。
そしてできた模型がこれ。

子供たちが集まってきました。模型を見て一応に驚きつつも、わくわくした顔がのぞきます。

いざ、模型づくり開始。ここでも「だめ」は一切なし。何をしても、どうしてもいい。家と家の間に屋根ができようが、突如道路にプールができようがお構いなし。

そして1時間半がたって完成!!

一人ずつ自分が作ったものを説明。どうしてそう思ったのか、何をしようとしたのかもきちんと説明するようにがんばってもらう。
全員が発表し終わって、二日目終了です。

そして、最後に子供たち全員の集合写真。
夏休みに何かつかんでくれたかな。

我々建築を作る人の仕事は、こういったまちを「読み解く」というところから始まります。小中学生にどの程度伝わったかはわかりませんが、子供たちが楽しく、そして驚きや発見を持って今回のテーマを感じてくれたら、我々が提供した課題も意味があるものになると思います。

ただ、これらの一連の作業。私を含めて関係者はみな手弁当。
一切の報酬なし。う~~ん。事務所に迷惑かけてしまいましたなぁと反省。明日から仕事がんばります。ってお盆だけど(^^ゞ