家を長く使い続けること

この週末から火曜日にかけて、ちょうど10年前に設計させていただいた戸建て住宅の、吹抜部分に床を張るという工事が始まりました。

もともと、将来的に床を張ってもいいですし、そのままでもいいですしね、といいながら寝室を吹抜にしていた部分です。従って、床を張る前提での新築工事をしていたので、構造的にも電気などの設備的にもそれほど大変な工事ではないことを想定していました。

実際に、今回の作業もそれほど大がかりな工事にはなりません。

当事務所では、家は家族とともに変わっていくもの、と考え、設計をしています。つまり、設計して新築したときが完成形ではなく、その後も家族の変化や周辺状況の変化に合わせて手を入れていけばよいと思っています。その時に、比較的簡単に手を入れることができるかどうか、というのがポイントになると思います。従って、将来想定される事態を先取りして新築時に「仕込んでいること」も実は多くあります。ただ、それは建築主に説明する場合もありますが、そうでない場合もあります。

家を、引き渡したときの形にこだわらず、手を入れてもらいながら、愛着を持って育ててくれれば設計者としてはとても嬉しく思います。