今週、何かと話題になったのは、世間で一定の評価を得た現在の作曲家と言われている人が、実は自分で作ったのではなくゴーストライターがいたという話。なかなか面白い話ですが、これだけ社会が複雑化してくると、専門化されて分業化されることもわからなくはないです。
建築の世界も、間違いなく同じようなことがいえます。だいたい設計者の名前って一人で出てくることが多いですが、設計って一人で何でもかんでもできちゃう人ってかなり少ないと思います。クラシック音楽の世界は、スコアと呼ばれるすべてのパートの楽譜を一人で書くことが多いですが、建築設計の場合は、意匠と言われるデザインだけではなく、構造や設備などの分野もあり、それらは明確に分業化されていることが多いです。
件の作曲家と言われた人がどの程度、作曲に関与していたかはわかりませんが、ものづくりということで言えば、最後の響きまで責任を持ちたいと思うでしょうから、オーケストラスコア(譜面)の細部に至るまで自分で書きたいと思わなかったのか、というのが気になるところ。
設計の仕事もそうですが平面詳細や矩計まで書いて始めて設計したと言えると思います。だから、常にそこまでしたいと考えています。もっと言えば家具や看板に至るまでコーディネートしたいと思っています。