賃貸マンション新築工事 3階建て鉄筋コンクリート造
3階建て鉄筋コンクリート造 賃貸マンション(大阪市阿倍野区) 2011年7月竣工
建物外観
大阪市阿倍野区に新築鉄筋コンクリート造マンションを設計監理しました。
従前の土地・建物は、木造2 階建て2 軒長屋( 築70 年以上)で、2009年12月から相談があり、まずは大阪市の補助金を使って耐震診断をしました。その結果、耐震強度が大幅に不足していることがわかり、大阪市の補助金を使って取り壊し、建て替えとなりました。
今回の建物は建物を長く快適に使用してもらうために賃貸マンションの付加価値を高める工夫を考えています。躯体( コンクリート) は100 年以上もつ材料です。しかしながら、躯体の耐用年数よりずっと以前に解体される建物が世の中には多くあります。
この建物では、躯体( コンクリート) を床と南北方向の壁( 柱) で構成し、東西方向に躯体を配置していません(東西方向はALC 版)。これにより、現在の間仕切り壁を撤去すると大きなコンクリートの箱( 空間) となり住宅以外の用途にも容易に変更ができます。また、階高3.0m で柱・梁型の出ないフラットラーメン構造なのですっきりとした空間になっています。また、水廻り・配管スペースも階段北側に集約し、設備の交換・変更や用途変更時も容易に行えるように計画しています。さらに、350mm の床や壁、外断熱、断熱塗料などの採用により温熱環境・音環境にも考慮しています。
外観夜景
写真集
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サインと集合ポスト(左上)/階段手すり(左下)/
ガラスブロック(中央上)/1階夜景(中央下)/1階エントランス(右)
3階玄関/3階キッチン/3階廊下(上段)
1階洋室/1階キッチン/1階キッチン(下段)
洗濯機置き場
洗面脱衣室
見所ガイド1/2
見所ガイド2/2
説明資料1/4〜4/4
※上のリンクからpdf版をご覧いただけます。
コンクリート内部・室内表面温度の変化(2011/07/07~07/14)
コンクリート打設時に温度計(熱電対)を約100点入れていますので、それを用いて温度データの変化を確認します。外断熱の効果を確認するのが大きな目的です。
その中でも、1日のデータを整理しました。
気象台の外気温と日射量のデータを入れて温度変化を見ると、日射量に合わせて外気温度は変化します。当たり前ですが。
特徴的なのは、断熱材を全く入れていない階段の手すり壁が外気温や日射量の変動より1~2時間遅れて変動していることです。しかも最高温度は外気温よりも高くなっています。断熱のないコンクリートの温度変化の特徴がわかります。
地下は20~22℃前後で測定期間内の1週間で約1度程度あがっています。
断熱されたコンクリート内部の温度はほぼ安定しており、おおむね室内の表面温度より低いです。従って、室内温度が上がっているのは室内へ入り込んだ日射などによる熱負荷や窓面などの熱伝達が主な要因と考えられます。室内表面温度よりコンクリート内部温度が低いので、輻射も考慮すると体感温度はそれほど高くならないと考えられます。
これらの測定は、少なくとも1年は実施する予定です。
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騒音データ
301号室から201号室への床衝撃音レベル
軽量:L-40・重量:L-35
201号室から101号室への床衝撃音レベル
軽量:L-35・重量:L-35
高音部でほとんど暗騒音と差が出なくなる
中高音部でほとんど暗騒音と差が出なくなる
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建物概要
敷地面積:113.80 m2
建築面積: 76.19 m2
建 坪 率: 66.95 %(法定 80%)
延床面積: 196.24 m2
容 積 率: 172.44 %(法定400%)
各階床面積:72.33m2(含階段)
うち住戸床面積:63.63 ㎡+バルコニー3.72㎡
建物のコンセプト
長く住んで頂ける “賃貸住宅”、長く使える”賃貸住宅”を
安心
耐震性・防火性に優れた鉄筋コンクリー(RC)造
安全
周り(床・壁・天井)のコンクリートの厚さが35cmで
プライバシーを守る
1フロア1戸の一戸建て感覚
快適
外断熱・ペアガラスを使った快適な温熱環境
防音性に優れ、結露を減らし、省エネルギーを実現
オール電化
非接触電子キーを採用した玄関ドア
柔らかい光を通す手すりと玄関のガラスブロック
ゆったり天井高さ2.5m
可変性
構造体以外を全てごっそり入れ替えることが可能
広いパイプスペースは、設備だけの入れ替えも容易
設計・監理
こま設計堂
橋本 頼幸/藤原 清貴
〒558-0004
大阪市住吉区長い東4-13-20
メゾンよしの204
施工者
エスケイワークス
濱田 啓志/ 安松谷 敏則
〒546-0044
大阪市東住吉区北田辺4-8-4