前回・前々回は、私の属している、「公益社団法人 大阪府建築士会」と「一般社団法人 大阪府建築士事務所協会」について、活動報告をするつもりでした。
前々回は、建築士会での私の活動を報告させて頂いたのですが、前回の建築士事務所協会の話では、社団法人改革の話から、建築士団体のあり方の話に飛んでしまい、それだけで話が終わってしまいました。
また、私はこれらの建築士法に基づく法定団体について、強制加入ではなく、現在は任意加入を認められていることを書きました。建築士として業をしている者の中でも、何れの団体にも属さない建築士が世の中にたくさんいる、いや、むしろそちらの方が主流であることに、私自身大きな不満を持っています。
どれか一つにでも属しておくことが、社会から見た建築士にとって必要で、それが「建築家賠償保険の加入の証」であったり、会からの懲罰の対象にされる可能性がある、といったたったそれだけのことで、建築士全体の雰囲気がしまり、いい方向に向くと思います。
ちょうどそんなことを考えていたときに、日系BP社のこんな記事を見つけました。
開設者の責任:職能・業界団体に属する意義を見直せ|日経BP社 ケンプラッツ
これは、業界誌の記事ですが、その中でこんな言葉がありました。
◆参加することに意義あり◆
日事連サービスへの電話での問い合わせや営業の出先でも、この「会員のメリット」という言葉をよく耳にする。昔は「ケネデイの就任演説を思い出してください!」、そう答えるようにしていた。最近では「苦情処理をやるようになり、事務所協会も昔と変わりましたよ。自分たちで苦情の種をつくっていたんではしょうがないですからね!」などと答えている。 「参加することに意義があるのであって、メリットをつくり出して行くのはご自分です」と生意気なことを付け加えることもある。まさしく“ask not what your country can do for you, ask what you can do for your country.(国家があなた達に何をしてくれるのかを求めず、国家のために何ができるかを考えてください)”である。
なるほどと思った。
私もよく、会に入ることのメリットを聞かれることがあり、メリット・デメリットでしか会に入会するかどうかが決められない人にはあんまり興味がないので、適当にあしらっていましたが、考えてみると、「参加することに意義があって」「ask what you can do for your country.」であることには間違いないですね。
だとすると、なおのこと強制加入団体があって、そこに属さないと建築士としての業ができず、不正・不信感に対しては会が懲罰を決める、という自主的な運営ができる組織で無いとこれまでと同じ繰り返しになります。
だからこその団体であり、もしあなたが今設計監理を依頼している建築士がいたら、建築士会などの団体に所属していますか?と聞いてみてください。
それこそが建築士の「信用」につながるような社会になるように、「会のために何ができるのかを問う」ようにしたいと考えます。