メンテナンスは誰が?

建物にかぎらず、ものは買った時・手に入れた時から、劣化が始まります。
車しかり、冷蔵庫などの家電しかり、パソコンしかり、全てのものに共通の宿命です。私達人間も例外ではありません。

当事務所には建物にまつわる、いろんな相談がありますが、相談のお話を聞いている中でこんな発言がありました。築20年経過したハウスメーカーの住宅ですが、少々問題な施工がみつかりました。そのメーカー曰く「10年までであれば対応出来ましたが、すでにその期間を経過しているので有償になります」と。ただ、相談者としては「10年目に見に来てくれなかった。」という不満を持っていました。

最近は、ハウスメーカーの営業は次に依頼を受けるために、定期的に「御用聞き」に来ます。そろそろ外壁塗ったほうがいいですね、とか、ぼちぼち屋根やり変えませんか、とか何なり理由をつけて工事をおすすめすることは、プロにとっては簡単な事です。それで数十万から100万年単位の仕事がもらえるのであれば安いものです。

ところが、そのご相談者のお宅は、営業マンの入れ替わりか何かで抜け落ちてしまったようです。もしくは、そのメーカーは「アフター御用聞き」にあまり力を入れていないのかもしれません。

この手の「アフターサービス」について、メーカーが勝手にやってきてくれると思っている方がおられます。でも、よくよく考えると、建物だけメーカーが見に来る、というふうに思うのって、おかしくないですか? 家電は1年のメーカー保証が切れる前に点検に来るわけではないです。車だって、ディーラーからはがきなどの案内は来ても、持っていくのは自分です。取りに来てもらったら原則お金がかかります。

大きな金額だけに、今までメーカーが「サービス」として、多少の下心を持って見に行っていただけで、メーカーがアフターサービス点検に来ることが当然だ、と考えるのは正しくありません。

建物の維持管理の主体はあくまでも、所有者(または管理者)です。所有者(または管理者)が堂々と「10年なので点検に来てください」といえばいいのです。

日本式サービスなのかもしれませんが、上げ膳・据え膳は考えるきっかけを失います。楽かもしれませんが、損をしているかもしれません。

積極的に「メンテナンスをしてください」と言うことが大切ではないでしょうか?