家づくりの過程~出身地の木を使う~

現在設計中の木造一戸建てのお施主さん一家と森林組合+プレカット工場へ「木」の見学へ行きました。

そのお施主さんが、三重県出身と言うこともあり、せっかくならば出身の地の木を使いませんか?とお誘いして、お施主さんのつてで森林組合を紹介してもらい、コンタクトをとり、大阪から2時間半掛けて施主一家と共に見学へ。

三重もたくさんの山を抱え、当然木造住宅の材料も揃います。山も手を入れないとダメになります。ご縁があればそのような木を使って家づくりに取り組めばもっと楽しくなるし、建物に対する愛着も変わると思います。そしてなにより、家づくりの過程を見てもらえることは、とても大切です。

現代生活は、便利になりすぎて、気がつけば完成品が目の前にあると言うことが多々あります。食品しかり、工業製品しかり。しかし、その過程には多くの人が関わっています。すべては無理でも、主要な工程で作り手も使い手もお互い顔が見えることは、「間違い」を少しでも減らすことにつながります。

併設されたプレカット工場も見学。日曜日なのでラインは止まっていますが、その分静かに見学できます。工期と予算に余裕があれば、大工さんの手刻みで木材加工をするところですが、今はほとんどがプレカットです。大工さんが二ヶ月かかるところを、一日でやってしまいますからね。

プレカット機械で作った、継ぎ手のサンプルも見せてもらいました。
工場の所長さんは、元大工さん。機械でどうしてもできないところは、今でも自分で刻むようです。大工が代々継承してきた継ぎ手を、機械でできるように工夫して取り組んでおられるとのこと。

どの職人の世界も後継者不足ですが、「人」ではなく「機械」に継承させているとのこと。

ちなみに工場も、木造トラスorアーチ。なかなか圧巻です。
2月の山の中は寒かったですが、途中の川も青く非常に美しく、ここから木を加工して自分の建物になると思うと、お施主さんにとっても貴重な経験をしていただけたのではないかなぁ、と思っています。

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