いい仕事をするために

私は欠陥住宅やトラブルになった事例の相談に乗ることが多いのでこう感じるのかもしれませんが、いい建物を造るためには、施主と設計者・施工者この三者の間の信頼関係が不可欠です。建築は、手抜きしているのではないだろうか、ちゃんとやってくれているのか、など疑いだしたらどこまでも疑えます。もっとも、その信頼関係がなんらかのきっかけでたもてなくなったからトラブルに発展したともいえるのですが。

建築は、現場で作る一品製品です。工場でラインに乗って大量生産される車などとは異なります。プレハブメーカーの住宅でもそうです。結局人の手が加わり、全く同じものは存在しません。従ってどこかで見てきたものを引き合いに出して「このとおりできるはずだ」という要求するのは必ずしも正しいとは言えません。できないときは、できないなりの理由があるのです。

いい仕事をするためには、施主・設計・施工の三者の強い信頼関係が必要です。その信頼関係が結べないような相手ならば仕事を一緒にするのを慎重に考えてください。それがトラブルを未然に防ぐ近道です。