ものづくり

10月の三連休を利用して広島の呉~宮島~広島市と行きました。いい天気で秋満タンという感じでした。目的地は、呉の大和ミュージアム(正式名称は呉市海事歴史科学館)、宮島は厳島神社(実は私は初めて)、広島市は原爆ドームと平和祈念館の3つ。

大和ミュージアムは複雑な思いにさせるところです。もちろん原爆ドームも複雑な気分になるのですが、原爆ドームは被害者としてのやるせなさを感じるだけで、避けたかったという思いにしかなりません。

大和ミュージアムには戦艦大和の1/10再現模型があり、手書きの図面やその製作工程などが展示されており、私もモノづくりに携わる者として、手書き図面に見入ってしまいます。

言い方に問題はあるかもしれませんが、戦艦大和の製作に携わった人は「わくわくしただろうなぁ」と感じます。もちろん戦争の道具=武器です。良いか悪いかの善悪で考えると、今は「悪い」と言うのでしょうが、当時「世界一の戦艦を作る」という目的に善悪はなかったでしょうし、その戦艦製作に携われるというのは、単純に楽しかったと想像できます。そして、昭和20年4月7日に沖縄戦に向かう途中にアメリカ軍により沈められたというニュースを、製作者たちは戦況云々ではなく単純に「残念だ」という感情や「寂しい」という感情を持ったのではないかと感じます。

大和の手書き図面から、製作過程から、そんな技術者の気持ち・心意気を感じます。
平和な時代であれば、物を作るのは単純に楽しいことです。自分が作ったものが、壊れて捨てられていくのは寂しく残念なことです。その気持ちは戦時下であっても同じだったと思いますし、それが技術者の本音です。

平和な時代に生まれてよかったと思うと同時に、今の平和があるのはおよそ70年前に戦争があり、その後の日本人が築き上げてきたものであることが如何に有難いことかと感じます。
それは決して当たり前のことではなく、常に平和であることに感謝して、生きていけたら、そう思います。