マンションの相談

先週から今週にかけてマンションに関する相談が多くありました。

今現在進行している大規模修繕工事が、事前調査がピークを迎え、その内容の確認。これは、設計監理者がきちんと確認しておかないとなりません。なぜならマンションの大規模修繕は事前にすべての補修箇所を調査しているわけではなく、足場がかかって工事が始まってから確認します。そして、その補修箇所はきちんとリストアップして、図面化すること。それが、工事費用に直接影響を及ぼすからです。これは今週も続く予定です。

また、マンション内覧会の同行もありました。マンション購入者にとって、私たちのプロが同行して、問題点がないか、その補修方法などについて、販売者や施工者と相談します。今回は特殊な事情があり、単純な同行だけではなかったのですが、基本的には細かいあら探しをするのではなく、長い目で問題になりそうなところを確認するという作業です。ただ、買ってしまってできてしまった建物の調査ですから、基本的に見える範囲も少なく、調査といっても限界があります。

もう一つは、残念ながら購入してから「瑕疵(かし)」つまり、不具合や本来あるべき状態にない部分があり、それを分譲主などと協議をするという段階の相談。基本的には話し合いで解決できることは少なく、調停や裁判などの何らかの法的手続きが必要になることが多くあります。

とはいえ、私たちは事件屋さんではありませんので、不安を煽ったり大きくすることはありません。技術的に問題点は整理し、どうやって補修することが望ましいかを、提示するのが私たちの仕事です。公平中立であること。そうすることがこういった問題を解決する近道です。

今週は大量の図面と計算書が送られてきました。これは、とあるマンションの瑕疵問題で補修を提示するゼネコンの資料です。任意の話し合いで補修の方法を検討する段階に来ているマンションの話です。

と、ここまで書いておいてですが、当事務所はマンションの相談だけを仕事にしているわけではありません。設計事務所として新築戸建てやリフォームなどの相談も当然行っていますが、マンションの相談が続くと、「そう言うこと(マンションの相談など)が専門なんですか?」と聞かれることが多くなります。

ただ、ここに書いたような業務は、結局誰がするのかというと、やはり私たちのような設計事務所の建築士がすることになるのは間違いありません。

「私たち建築士を大いに使ってください」相談者によく言う言葉です。