コミュニケーションデー

私が顧問建築士として関わっているマンションのお話です。


この分譲マンションは、<活動>の中でも紹介させて頂いた『市民シンポジウム「住みよいマンション その維持管理と再生」(2003年4月19日開催)』で講演したマンションです。


これまで、分譲1年目にマンションに亀裂や防水など建物に問題が発生してそれを分譲会社にきっちりと補修をさせ、その後の管理会社の問題(結局自主管理となった)や管理規約の全面改正・長期修繕計画の作成などに積極的に取り組み、現在7年目に至るマンションです。


これまで、私もずーっと管理組合の相談にのっており、管理会社に管理委託していたものをやめ自主管理に切り替えるのと合わせて「顧問建築士」を管理組合におくことで日常の管理業務を問題なく進めておられます。わたしも「顧問建築士」として月1度の理事会と総会には必ず出席し、その他役員さんはじめ住民さんの相談などにも常に持ちかけられております。


少し余談になりますが、企業の経営に顧問弁護士や顧問税理士がいるのですから、建物の相談に顧問建築士がいることは何らおかしなことではないと私は思っています。マンションやビルのオーナーなどに本当に必要な職であるとすら思っています。顧問建築士の本来の仕事は建物や建物の維持管理にまつわるすべてのことに適切なアドバイスをすることです。


そのマンションで年2回(夏の盆の頃と年末)に行われているのが、コミュニケーションデーという催しです。これは、管理規約にも盛り込まれたもので、年に数回、マンションに住む住民(所有者も賃貸者も)が大掃除をしたり、子供たちにお菓子を配ったり、マンションで古本交換会をしたりと、そういったイベントをするものです。コミュニケーションデーの目的は、住民同士のコミュニケーションを図ろうというものです。下の写真はその時の模様です。

 


なかなか楽しそうでしょ。
分譲マンションの理事会や管理組合の活動というのは、ものすごく地味で事務的な感じがしますが、本当はこういった行事などを通して、住民同士の顔が分かり風通しが良くなることが大切です。そうすることで、マンションで発生するいろいろな共通の問題(自転車置き場が使いにくい、とか、騒音やマナーなどなど)のほとんどが解決する鍵を握っていると言っても過言ではありません。また、ちょっとしたトラブルの芽もすぐに気づくことができ、大きな問題になる前に前向きに解決することができるようになります。


最近の私たちが忘れているものがここにはあるのです。