社会人落語家さんの稽古場

2008年8月に引き渡しました、関西の社会人落語家さんの稽古場の防音工事です。

上方落語はご承知の通り「はめもの」といわれる公演中にお囃子などの三味線や太鼓などが入ることがあります。(参照: Wikipedia )

そういう練習はだれに気兼ねすることなく思いっきり練習をしたい、というのがだれもの願い。


そして、依頼があったのが、この木造2階建て長屋の一室の改装。

さて、どこまで音が止められるのか・・・


音や振動を止めるのは、距離を離すことがもっとも効果的です。それが、長屋の場合はびたっとくっついているわけですから・・・

ということで、屋根裏を最大限に使って、できる限りの防音効果を狙い、予算内でできるだけのことをしました。部屋は八畳程度の広いとは言えない空間ですが、天井の広がりを使いましたので、あまり狭いと感じない空間になりました。稽古場にはちょうどいい広さですし、音が響きすぎるということもありません。また、天井を高くしたことで荷物を置くスペースもできました。吸音にもちょうどいいみたいです。狭く響きすぎる空間も稽古場としては不適切ですのでね。

工事前。普通の長屋の2階の和室でした。

解体したときの天井裏。いかにも昭和の長屋です。でもこの空間が後々きいてくることになります。

作業はまずこの天井から

天井にしっかり断熱材兼防音材としてグラスウールを敷き詰めます

長屋なので隣との壁にもかなり気を遣います。防音材と気密テープと遮音シートと石膏ボードや合板をさまざまな順番で丁寧に組み合わせて貼っていきます。

防音工事は気密性が高くなりますので換気にも要注意です。しっかり換気ができるように、かつ音漏れの原因にもなりますので、防音仕様の換気扇で


さらにまだ壁がたてられます。部屋はひとまわり狭くなりますが、防音するためには必要なこと・・・

もちろん扉も防音扉で二重に。

完成した部屋です

天井も屋根に併せて勾配天井です。


そしてこの隙間?に荷物が置けるようになります。

そして、この安くした仕様。そう。よくご存じの方は、見覚えがあるかと思いますが、当事務所の レッスン室 と同じです。


引き渡してから稽古場として大活躍されているようですが、その後ご近所からも苦情のたぐいはなく快適に使われているようです。好かったです。


施工は、当事務所のレッスン室と同様、新勢建設でした。