
- Greeting -
既にお気づきだと思いますが、今回の演奏会から「フェッセルン・アンサンブル第12回定期演奏会」と書いております。これまで団体名はなく、演奏会の回数すら書いてこなかったのですが、干支を一周してようやく団体名と”定期演奏会”という言葉を使ってしまいました。
団体名は昨年の演奏会プログラムに「Fesseln Ensemble(フェッセルン・アンサンブル)にします。」というご案内をさせていただきました。意味はプログラムの最後を見てください。これまで団体名を決めなかったのも、演奏会に第○回定期演奏会と書かなかったのも私自身のこだわりがあったからです。一言で言うと「息の長い、質の高い演奏をするため」ですが、この説明を始めるととても紙面が少なすぎるので割愛します。お知りになりたい方は直接お声を掛けてください(^^)。
冗談はさておき、とにかく私たちの活動もついに12回を迎えたことになります。これまで応援していただいた方があってのこととメンバー一同感謝しております。さて、そんな第12回のテーマは「つながり」です。本日は非常にバラエティの富んだ選曲となっています。シューベルト「岩の上の羊飼い」とブラームス・クラリネットソナタは、シューベルト・ブラームス各々の”死の直前に作曲された”というつながり、プーランクの6重奏は6種類の楽器の絶妙なつながり、ブラームスが作曲した器楽ソナタというつながり、いろんなつながりが見え隠れします。そして何よりも今回はメンバーのつながりも大切なポイントです。6重奏曲を演奏するメンバーやソプラノなどこれまでこの演奏会であまり取り上げてこなかった楽器や新しいメンバーとの奇跡的なつながり、そして、それを聞きに来ていただいた方々とのつながり。ちっぽけな一人の人間が連鎖的につながっていくことでこのようなことができるのだ、ということを演奏会のテーマに選びました。
第○回定期演奏会と銘打ったからには、私たちの演奏会も綿々とつながっていかなければいけません。そして「質を落とさない」ではなく「より質を高めていく」努力をしていかなければならないと気持ちを新たにしています。そうすることが、つなげていくために必要なことだと思うからです。今後どのようにつながっていくかは、何らかのご縁でつながったご来場の皆さんにも一緒に見て、感じていただければと思います。
最後になりましたが、本日はお忙しい中、ご来場くださいまして誠にありがとうございます。この奇跡的な皆さんとのつながりを私たちと共に楽しんでいただければと思います。
団体名は昨年の演奏会プログラムに「Fesseln Ensemble(フェッセルン・アンサンブル)にします。」というご案内をさせていただきました。意味はプログラムの最後を見てください。これまで団体名を決めなかったのも、演奏会に第○回定期演奏会と書かなかったのも私自身のこだわりがあったからです。一言で言うと「息の長い、質の高い演奏をするため」ですが、この説明を始めるととても紙面が少なすぎるので割愛します。お知りになりたい方は直接お声を掛けてください(^^)。
冗談はさておき、とにかく私たちの活動もついに12回を迎えたことになります。これまで応援していただいた方があってのこととメンバー一同感謝しております。さて、そんな第12回のテーマは「つながり」です。本日は非常にバラエティの富んだ選曲となっています。シューベルト「岩の上の羊飼い」とブラームス・クラリネットソナタは、シューベルト・ブラームス各々の”死の直前に作曲された”というつながり、プーランクの6重奏は6種類の楽器の絶妙なつながり、ブラームスが作曲した器楽ソナタというつながり、いろんなつながりが見え隠れします。そして何よりも今回はメンバーのつながりも大切なポイントです。6重奏曲を演奏するメンバーやソプラノなどこれまでこの演奏会であまり取り上げてこなかった楽器や新しいメンバーとの奇跡的なつながり、そして、それを聞きに来ていただいた方々とのつながり。ちっぽけな一人の人間が連鎖的につながっていくことでこのようなことができるのだ、ということを演奏会のテーマに選びました。
第○回定期演奏会と銘打ったからには、私たちの演奏会も綿々とつながっていかなければいけません。そして「質を落とさない」ではなく「より質を高めていく」努力をしていかなければならないと気持ちを新たにしています。そうすることが、つなげていくために必要なことだと思うからです。今後どのようにつながっていくかは、何らかのご縁でつながったご来場の皆さんにも一緒に見て、感じていただければと思います。
最後になりましたが、本日はお忙しい中、ご来場くださいまして誠にありがとうございます。この奇跡的な皆さんとのつながりを私たちと共に楽しんでいただければと思います。

- Program -
F.シューベルト
F. Schubert (1797-1828)
岩の上の羊飼い D.965 (ソプラノとクラリネットとピアノのための)
Der Hirt auf dem Felsen D.956 fur Singstimme, Klarinette und Klavier
ソプラノ :山本 操代
クラリネット :橋本 頼幸
ピアノ :井上 恵里子
ブラームス
Johannes Brahms (1833-1897)
ヴァイオリンソナタ 第1番「雨の歌」 ト長調 op.78
Sonate fur Violin und Klavier G-dur Op.78
I .Vivace ma non troppo
II .Adagio
III .Allegro molto moderato
ヴァイオリン :宮木 義治
ピアノ :江本 直子
< 休憩 ~ Intermission ~>
J.ブラームス
Johannes Brahms (1833-1897)
クラリネットソナタ 第1番 ヘ短調 op.120-1
Sonate fur Klarinette und Klavier f-Moll Op.120 No.1
I .Allegro appssionato
II .Andante un poco Adagio
III .Allegretto grazioso
IV .Vivace
クラリネット :橋本 頼幸
ピアノ :井上 恵里子
F.プーランク
Francis Poulenc (1899-1963)
ピアノと木管五重奏のための六重奏曲 FP.100
Sextour pour Piano, Flute, Hautbois, Clarinette, Basson et Cor
I .Allegro vivace
II .Divertissement
III .Finale
フルート :舩橋 順
オーボエ :崎里 直己
クラリネット :橋本 頼幸
ファゴット :瀬尾 哲也
ホルン :安彦 高志
ピアノ :江本 直子
- Program Notes -
岩の上の羊飼い D.965 (ソプラノとクラリネットとピアノのための)
シューベルト
清涼な山の空気を思わすクラリネットの序奏から、続いて声部が入り歌とクラリネットの掛け合いが始まる。それはまるで、羊飼いが自然と語り合うかの様である。中間部では短調になり、羊飼いの孤独・山々の静けさを感じる。この曲はシューベルトの晩年に作られただけに、中間部の短調がシューベルト自身の悶々とした寂しさ・孤独を表し・これまでを振り返り、言い聞かせ、納得したかの様に思える。最後、長調に戻りクラリネットのソロで終止するが、春の喜びを表現する事で、無条件に全てを捧げる・死への恐怖感がぬぐわれ、死への準備が整ったと… まさに晴れ晴れとした気持ちで旅に出る少年を思い浮かべる事ができるであろう。(M.Yamamoto)
ヴァイオリンソナタ 第1番「雨の歌」 ト長調 op.78
ブラームス
21年もの歳月をかけた交響曲第1番が完成した3年後、このバイオリンソナタは南オーストリアのアルプスに囲まれた風光明媚なぺルチャッハにて作曲された。同時期に作曲されたヴァイオリン協奏曲や交響曲第2番と同様に牧歌的、田園的雰囲気を持った曲で、当時ブラームスが好んで行っていたイタリア旅行の影響が強く表れている。曲の表題は第3楽章の主題が自身の歌曲「雨の歌(Regenlied)」の旋律から導き出されていることから後に付けられた(ブラームス自身は純粋音楽のみによる表現を目指し、自ら文学的な表題を作品に与えることはなかったことから、彼の意に反することではあるが)。親しみやすい軽快な主題で始まる第1楽章、民謡風の旋律で始まり表情豊かな第2楽章、そして「雨の歌」の旋律を主題とした優美でメランコリックな第3楽章から構成される。(Y.Miyaki)
クラリネットソナタ 第1番 ヘ短調 op.120-1
ブラームス
ブラームスが64年の生涯を閉じる3年前61歳の時にクラリネットの2曲のソナタが作曲された。ブラームスの作品番号は122番まででなので、クラリネットソナタの後にはたった2曲しか書かれていない。ブラームスは一つの曲を非常に丹念に練り上げて作り込んでいき、形式を重んじ完璧をめざし納得がいくまで慎重に練り上げていくスタイルの作曲手法をとっていた。第一交響曲の作曲に21年の月日を要したのは有名な話である。一方で1890年(57歳)頃には自信の創作の限界を感じ筆を置く決心をしたといわれている。そんなブラームスが名クラリネット奏者ミュールフェルトと出会い、消えかけたろうそくの炎を再び燃え上がらせるかのように、クラリネットが取り入れられた室内楽曲の3重奏曲・5重奏曲・2曲のソナタを立て続けに作曲した。そのなかでも特に2曲のクラリネットソナタはじっくりと、しかしあまり迷い無くまとめられた感じがする。完璧さではなく感情的で解き放たれた自由な感じが垣間見える。人間臭いブラームスがここにはあるような気がする。死を意識したときにブラームスが見たものを共有できるのではないだろうか。(Y.Hashimoto)
ピアノと木管五重奏のための六重奏曲 FP.100
プーランク
プーランクは、非和声的・非旋律的な音楽が好まれた20世紀ヨーロッパにおいて、新鮮な響きのメロディアスな音楽を書き続けた作曲家として知られています。管楽器への嗜好が強く、管楽器の室内楽曲を多く残していますが、その中でも最も編成が大きいのがこの六重奏曲です。木管五重奏にピアノが加わった編成ですが、六重奏曲というよりは、まるで6つの楽器のソロソナタが一体となっているように各楽器が華やかに活躍します。生き生きとしたテンポの部分では、プーランクならではのエスプリに満ちた茶目っ気に溢れていますが、時折不安でシリアスな面ものぞかせます。この曲は第2次世界大戦の直前に全面的に手直しされたそうですが、その大戦前の不安が影を落としているのかもしれません。そういった喜怒哀楽がぎゅっと楽譜に詰め込まれており、「プーランク20分で早わかり!」といった作品に仕上がっています。この喜遊的なリズムと感傷的な旋律のコントラストを是非お楽しみください。(J.Funahashi)
- Members -
安彦 高志(Takashi Abiko); ホルン

井上 恵里子(Eriko INOUE); ピアノ

江本 直子(Naoko EMOTO); ピアノ

崎里 直己(Naoki Sakisato); オーボエ

瀬尾 哲也(Tetsuya Seo); ファゴット

橋本 頼幸(Yoritaka HASHIMOTO); クラリネット

舩橋 順(Jun FUNAHASHI); フルート

宮木 義治(Yoshiharu MIYAKI); ヴァイオリン

山本 操代(Misayo YAMAMOTO); ソプラノ

“フェッセルン(Fesseln)”には、
ドイツ語で【ひきつける,魅了する,とりこにする】
という意味があります。
ドイツ語で【ひきつける,魅了する,とりこにする】
という意味があります。
人と人とが惹きつけられてつながっていく、そんな私たちの一見すると何気ない日常も、その背景は、様々な奇跡的な条件が重なってはじめて成り立つものだと思います。私もこの演奏会を始めたのは奇跡的な条件が重なったからです。ここで皆さんと共に一つの演奏会を作り上げていくというのも奇跡的な条件の重なってできたものです。そう考えるとつながっていくと言うことは非常に貴重なことで、一つのつながりを大切にしていきたいものです。
今あるつながりとあらたな奇跡的なつながりを楽しみにして・・・